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このプロジェクトの正式名称は |
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Development of Gourmet Coffee Potential(グルメコーヒー可能性の開発)です。
プロジェクト推進当事者はITCです。
ITCはUNCTADとWTOにより設立された国連の一つの組織です。
International TradeCentre(Centerではありません)本部はスイスのジュネーブにあります。
UNCTAD : United Nations Conference on Trade and Development 国連貿易開発会議
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2. |
このプロジェクトは1997年にスタートし、2000年に完了しました。
グルメコーヒー可能性の検証が主たる事業内容で、検証の為に米国と日本を主たる対象市場として、テスト・マーケッティングを実施しました。
可能性ありとの結論に基づき、現在はそれぞれの生産国がフォローアップを実施しています。
「ITC Projectと同様な手法で、多くの生産国で、高品質コーヒー開発プロジェクトが実施されています。ケニア、タンザニア、ルアンダ、ザンビア、グアテマラ、ドミニカ、パナマ、ボリビア等です。
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3. |
このプロジェクトの対象生産国は5カ国でした。
アフリカより3カ国が選ばれました。 エチオピア、ウガンダが最初に選定されましたが、
コンゴとブルンディが最後まで競り合いました。
アジア・オセアニアからの選定は大変競争が厳しく、インドとパプア・ニューギニアが最後の選定に残りましたが、なかなか決着がつかず、最後はコイントスで決まった経緯があります。
ラテンアメリカからはブラジルが選定されました。
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4. |
当初は、何故ブラジルが対象国になっているのか。
今更ブラジルで何をするのかと、一部では疑問視されたのですが、
結果的には、ブラジルが一番グルメコーヒーの生産に苦慮したのです。何故か?
理由は、従前の、歴史的なブラジルの品質評価基準が全くスペシャルティコーヒー市場には
適用出来ない事が判明したからです。
従前のブラジル品質評価方式の存在が邪魔になって、スペシャルティコーヒー市場が求め、
実需が評価するコーヒーの評価基準が生産者にとって理解出来なかったのです。
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5. |
ITCプロジェクトにおいて、ブラジルはどんな変化を遂げたか。
1997−1998年の間は、BSCA(ブラジル・スペシャルティコーヒー協会)の生産者が
スペシャルティコーヒーとして生産したコーヒーに対して、米国のスペシャルティ・ロースターは誰もが価格プレミアムの支払いを拒否しました。何故か?
品質評価を、従前のブラジル方式で行っていた為、スペシャルティコーヒー・ロースターの要望する品質のコーヒーが継続的に供給されなかったから。
頓挫しかかったITCプロジェクト立て直しの為、SCAAの品質評価基準の導入が強く要望されました。誇り高いブラジルのクラスィフィカドールが、欧米のスペシャルティロースターに屈し、全く新しい品質評価基準が、ブラジルに導入されたのが、1999年です。
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6. |
ブラジルのインターネット・オークション
1999年10月に、SCAA品質評価基準の導入を図ることを目的とした
ブラジル・スペシャルティ・コーヒー協会主催のコンペティションが開催されました。
国際審査員14名の内にブラジルからは2名のみ選出されました。
ブラジル全土のスペシャルティコーヒー生産者より314ロットが出品され、上位10ロットに対し、Best of Brazil
1999 の称号が与えられ、これらの10ロットを対象に, 1999年12月にSCAAの主催でインターネット・オークションが実施されました。
このプロセスは ICO の発案の基に、ITCのプロジェクトの一環として実施されたものです。
1999年のオークションの結果は、ブラジルの生産者に大きなインパクトを与え、
生産者段階での品質向上策が飛躍的に発展を遂げました。
2000年10月に第2回目の The Best of Brazil 2000 のコンペティションが実施され、全国から477ロットが出品され、ベスト18に対し、The
Best of Brazil 2000 の称号が与えられました。
2000年12月にインターネット・オークションが18ロットを対象に実施されました。
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7. |
ITCプロジェクトと、The Best of Brazil,Cup of Excellence
ブラジルにおいては、The Best of Brazil 2000, 或いは Cup of Excellence 2000
との名称、呼称が、ITCプロジェクトコーヒーに代わるものとなっている事が、他の生産国とは状況を異にしています。
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8. |
スペシャルティコーヒーに適用される品質評価基準と、従前のブラジル評価基準とは全く別のものである事。 残念ながら日本では、この事が全く理解されておりません。
日本では、未だに、コーヒー鑑定士なる名称が存在し、ブラジルのサントス商工会議所での講習を
受講終了した者が自己を鑑定士と呼んでおります。
鑑定士の「士」とは、国家試験、或いはこれに準ずる資格試験の合格者に与えられる呼称です。
「残念ながらブラジルの品質チェック方式はスペシャルティコーヒーには適用できないので、SCAA、或は SCAEの評価基準が導入・適用されています。」
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9. |
グルメコーヒーとスペシャルテイコーヒー
グルメコーヒー とはスペシャルティコーヒーとプレミアムコーヒーの総称です。
プレミアムコーヒーは、著名な名称、優れたバックグラウンド・ストーリーにより、高値で取引が可能なコーヒーですが、味覚面に素晴らしい美味しさ、際立つ印象度が有るか否かは別の問題です。
「スペシャルティコーヒーは、素晴らしい独特の美味しさの風味があり、際立つ特徴・印象度があるコーヒーを指します。しかし、一般的には有名な名称ではなく、品質で勝負するコーヒーです。」
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2001年に入りSCAAの品質評価基準が修正されました。又、評点による、
Specialty Coffee, Premium Coffee, Exchange Coffee, Below Standard,Off
Grade の区分けが導入されました。
新しいSCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)の品質評価表。
概略。
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